AIMD教育について
東北大学では、「東北大学ビジョン2030」(2018年11月公表)において、「学生の挑戦心に応え、創造力を伸ばす教育を展開することにより、大変革時代の社会を世界的視野で力強く先導するリーダーを育成する」ことを教育のビジョンに掲げ、そのために、学生が未来社会に向けて備えるべき現代的リベラルアーツとして実践的な教育プログラムの構築に取り組んでいます。
デジタルトランスフォーメーションによる社会の転換期を迎え、グローバル化が進展する中で、新たな価値を創造し、変革を進めていくことが求められており、そのための素養として AI(人工知能)・数理・データ科学(AI, Math & Data scienceの頭文字を取りAIMD)が特に重要と考えています。
このAIMDの分野は、その理論的な基礎となる数学や計算機科学に加えて、ビッグデータのセンシング・蓄積・通信・計算を支える技術的基盤のみならず、さらにそれらを駆使して課題解決を行う実践分野が横断的かつ有機的に結びついて初めて意味を持ちます。すなわち、理論やテクノロジーの創り手と使い手、双方が、それぞれの専門分野で、基礎から課題解決までを見渡せる広い視野と実践力を身につける必要があるのです。
現在、インターネット等から収集される多様で膨大なデータを背景に、社会経済活動の全般においてサイバー空間と実世界とが密に連合しながら、課題の解決と新たな価値の創造が進みつつあり、こうした社会は「データ駆動型社会」とも呼ばれます。このような状況に適応し、グローバルに活躍できる人材の育成(AIMD教育)を本学では目指しています。
東北大学AIMDリテラシ教育の実施体制
本学のAIMDリテラシ教育は、全学教育の科目の計画及び実施、履修、試験及び単位に関する事項全般を所掌する学務審議会の下に、データリテラシ共通教育基盤運営委員会を設置し(2019年2 月)、関連する科目委員会(情報教育委員会、数学委員会)等とも調整を図りつつ、企画、運営、評価および改善を進めています。
さらに、挑創カレッジのコンピュテーショナル・データサイエンス(CDS)プログラムは、意欲的な学生のために一層深い学びの機会を提供するために、2019年度から提供されており、挑創カレッジの修了認定や他のプログラム(グローバルリーダー育成(TGL)プログラム、企業家リーダー育成(TEL)プログラム)との調整については、同じく学務審議会の下に設けられた挑創カレッジ運営委員会(2019年3月設置)が担当しています。
加えて、本学全体のAIMD教育について中心的に取り組むための組織として、データ駆動科学・AI教育研究センターを設置し(2019年10月)、企画、開発、運営等にあたっています。
評価と改善活動
学務審議会のもとでの評価改善活動の中で、AIMD関連においても、履修状況、成績分布、学生による授業評価アンケート、教員からの授業実践報告等のデータを分析し、関係委員会での分析、および教員会議の開催とFD等の活動を通じて、改善に努めています。
さらにAIMD分野の教育活動の一層の充実と展開を図るため、2021年度から、数理・データ科学・AIアドバイザリ委員会を学内に設置し、活動を開始しました。同委員会はAIMD分野の人材育成や活用について深い見識および経験を有する有識者で構成されています。
東北大学 数理・データ科学・AIアドバイザリ委員会の構成(2023年12月現在:順不同・敬称略)
氏 名 | 所 属 | 備 考 |
土井 美和子 | 東北大学 理事(データ戦略・社会共創担当) | 委員長 |
柳澤 花芽 | ㈱野村総合研究所(NRI)常務執行役員 総合企画センター担当 総合企画センター長 |
|
青目 隆博 | 第一生命保険㈱ IT ビジネスプロセス企画部データアナリティクス室室長 | |
Glenn M. Keeni | ㈱サイバー・ソリューションズ 代表取締役社長 | |
繁田 亮 | Google ユニバーシティリレーション・プログラムマネージャー | |
太田 靖 | 宮城県企画部産業デジタル推進課 技術補佐 | |
久本 久 | 仙台市経済局イノベーション推進部 産業振興課課長 |
アドバイザリ委員会からの意見は、今後、本ウェブサイト等を通じて公開して参ります。
・第1回 数理・データ科学・AIアドバイザリ委員会議事録(2021年1
・第2回 数理・データ科学・AIアドバイザリ委員会議事録(2023年3月17日開催・PDF)
数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度
東北大学のAIMDリテラシ教育プログラムは、文部科学省より「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)」および「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(リテラシーレベル)プラス」の認定を受けております。
・数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラ
・数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラ
・文部科学省 MDASH-literacy ウェブサイト
東北大学挑創カレッジコンピュテーショナル・データサイエンスプ
・数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基
・数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(応用基
・文部科学省 MDASH-advanced literacy ウェブサイト
内部評価
令和2年度自己点検結果(PDF)
令和3年度自己点検結果(PDF)
令和4年度自己点検結果(PDF)
東北大学AIMDリテラシ教育に関する評価・意見等
「学生による授業評価」の自由記述欄より(2020年度)
※ AIMDの基礎科目である「情報基礎A」と「情報基礎B」の受講者からの声の一部を紹介します。
日本ディープラーニング協会 「G検定」および「E資格」学修支援プログラム参加者からの声
※ 2020年度に、挑創カレッジCDSプログラム受講者を対象として、民間AI資格の取得に向けた学修支援プログラムを実施しました。その参加者からの声の一部を紹介します。
企業の実務家からの意見
※ データ駆動科学・AI教育研究センターでは、データ科学やAIに関係した企業の実務家から種々のアドバイスをいただきながら活動を進めています。以下に、その一部を紹介します。
全学教育及び理工系における教育プログラムについては非常に素晴らしいと考えます。他方、文系において全学教育からさらに踏み込んだビジネスケースやユースケースをサンプルにした経営とデジタルテクノロジーのあり方、組織と事業推進、データによる分析とビジネス戦略立案などのコンテンツ拡充があれば、より実践的な学習と社会貢献へ直結すると考えます。(グローバルクラウドプラットフォーム企業・執行役員)